大切なものを置き忘れてきた感覚、墓参りという貴重な機会
目次
すぐ読める!お墓参りのエピソード
この記事では一般の方に書いて頂いたお墓参りの思い出を掲載しております。

神奈川県 Yさん
「地元では格式高いその寺は母の本家にほど近く、幼い頃には親戚に会える貴重な機会でもありました。 ずっしりと構えた大きな門をくぐると、まるで別世界の入口だったかのように通りとは打って変わった荘厳な空気に包まれます。 蝉の声を背に少し進むと母が身内には「墓爺さん」と呼んでいた腰の曲がった老父が、キコキコと音を立てながらポンプ式の井戸から桶に水を汲み手渡してくれます。 弟と半ば取り合いのように手桶を掴み、「お墓で転んだら土を舐めてから起き上がること」という奇妙なしきたりを胸に、決して整ったとは言えない急な石段を、土を舐めずに済むように慎重に、そして私達兄弟だけは足早に上へ上へと進みます。 見晴らしの良い場所に建つ墓で偶然にも従兄弟達に遭遇できたり、ついさっき参ったであろう形跡が残るまだ煙の灯る線香の束や鮮やかな献花が見て取れると不思議と嬉しい気持ちになったものでした。 電車とバスを乗り継ぎ要所要所で都度報告のように参っていた母。 年を召し回数こそ減ったものの墓参りは未だ生活の一部であり、私のようにうっかりと忘れてしまうなどということがない。 仏壇へ水と炊きたての御飯を備え線香を灯す一連の作業も朝食前の日課だ。 先祖を敬うそういった行為を私は軽んじてはいないだろうか、現代っ子の子どもたちへそういった敬意の念を伝えることができているのだろうか、反省し考えさせられます。 墓参りという貴重な機会が減ってしまったことは、大切なものを置き忘れてきた感覚に似て取り返しのつかないことだったかのように悔やまれます。 反抗期の子ども達三人は昔のように素直に着いてきてくれるだろうか、かつての自分のように疎ましいと感じつつも仏頂面で来てくれたなら良しとしよう、いずれ理解してくれると信じて。」

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